エクステリア
実際の大きさよりも迫力があって大きく感じる。なのにスタイリッシュです。ボディサイズは全長4455mm、全幅1825mm、全高1620mmで、Cセグメント(クロストレックなどと同類)に分類されます。ミラーを含めた車幅2115mmは、全幅に対して考えると張り出し気味で、狭い道だと思ったより気を遣う数値です。そして、最低地上高が160mmと、一般的な約140mmと比較してあまり高くなく、SUVとしてはかなり低い数値なので、あまりにもラフな運転をしていると車の下を擦る心配があります。
インテリアとユーティリティ
乗降性はヒップポイント635mmと、日本人が最も乗り降りしやすいと言われる600mm前後に近いこともあり、優れていました。シートの座り心地は前席も後席も悪くないです。身長170cmの私が適切な運転姿勢をとった際に、後部座席の膝前に拳2.5個分、頭上に2個分のスペースがあり、そこまで狭くないです。これなら後席での長距離移動も快適です。そして、ドライビングポジションについてですが、至極普通といった感じです。また、運転時の視界についてもごく普通といったレベルで、後方視界についても良くも悪くもないです。
走行性能
1.8Lハイブリッドモデルは、最高出力72kW、最大トルク142N・mのエンジンに、最高出力70kW、最大トルク185N・mのモーターを組み合わせています。4WDではこれにリアモーターが組み合わされます。実燃費はFFで街乗りで約22km/L、高速道路で約21km/Lぐらいです。駆動方式はFFと4WDが選択可能です。大人4人がフル乗車しても、この動力性能なら高速道路でも十分な走行ができます。
一方、2Lハイブリッドモデルは、エンジンが最高出力112kW、最大トルク188N・m、フロントモーターが最高出力83kW、最大トルク206N・mで更にリアモーターが組み合わされています。実燃費は街乗りで約18.5km/L、高速道路で約19.5km/Lぐらいです。こちらは4WDのみの設定です。この車格に対してこの動力性能は、十分以上の走りが期待できます。因みに、このエンジンが搭載されるのはGR SPORTというグレードのみです。
最小回転半径は5.2mで、このサイズの車としてはかなり小回りが利きます。車の大きさまで考慮に入れると、この車は日常の買い物から旅行まで幅広い用途で活躍できる、非常に実用性の高いサイズと言えます。
街乗り燃費 | 高速燃費 | |
1.8Lハイブリッド | 22km/L | 21km/L |
2Lハイブリッド | 18.5km/L | 19.5km/L |
安全性能
クルーズコントロール性能は並です。搭載されている機能はそれぞれ一般的な性能で感動レベルではありませんが、様々な機能が設定されています。一つ面白い機能を紹介するとプロアクティブドライビングアシストというものがあり、前車との距離感が近くなると少し減速してくれたりする、さりげない運転支援機能です。運転が苦手な人からすると運転が上手くなると思います。一方で、運転が得意な人からすると逆にギクシャクしてしまいます。
また、JNCAPと呼ばれる第3者機関による安全性の評価があり、この試験にてカローラクロスは2022年にファイブスター賞を受賞しています。
おすすめグレードと価格・まとめ
価格(円) | エンジン | |
GR SPORT | 3,895,000 | 2Lハイブリッド |
S(FFの場合) | 2,980,000 | 1.8Lハイブリッド |
コストパフォーマンスが優れたグレードであるSがおすすめです。ドライブレコーダーなどの装備がS以上でしか装備されないので、最廉価グレードは勧めません。また、スポーツ志向の方はGR SPORTがおすすめです。普通はスポーツグレードは意匠が変更されるなどに留まるのですが、このグレードはエンジンまで大きさが変わるというトヨタの本気が感じられます。勿論、毎年雪道を走る方は4WDを選ぶようにしてください。
総合評価は78/100点とします。この車は特筆すべき欠点が見当たりませんが、一方で特筆すべき利点もないというトヨタらしい車です。言い換えると、全方位が標準以上のレベルで程よくまとまっているということがこの車の一番の個性と言えるかも知れません。
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