プリウスの内装・外装・走行性能を徹底解説

エクステリア

綺麗な曲線のデザインで、トヨタにしてはシンプルな造形です。ボディサイズは全長4600mm、全幅1780mm、全高1430mmで、Cセグメント（MAZDA3などと同類）に分類されます。ミラーを含めた車幅2085mmは、全幅に対しては張り出し気味で、実際の全幅よりも少し気を遣います。そして、最低地上高が150mmと、一般的な約140mmと同じぐらいなので、普通に走っていれば擦る心配はあまりないです。因みに、トヨタはこの車をセダンと定義しているのでこのサイトでもセダンカテゴリーに入れてますが、実際にはハッチバックです。

インテリアとユーティリティ

乗降性はヒップポイント490mmと、日本人が最も乗り降りしやすいと言われる600mm前後から大きく離れており、非常に乗り降りはしにくいです。一方でシートの座り心地は前席も後席も良かったです。身長170cmの私が適切な運転姿勢をとった際に、後部座席の膝前に拳3個分、頭上に1個分のスペースがあり、はっきり言って狭いです。身長が高いと後部座席はしんどいでしょう。一方、ペダル配置もこだわっているのでドライビングポジションは良好です。しかし、メーターやナビの配置から運転時の前方視界は良くはないですが、後方視界は見た目に反して悪くなかったです。

走行性能

2Lハイブリッドモデルは、最高出力112kW、最大トルク188N･mのエンジンに、最高出力83kW、最大トルク206N･mのモーターを組み合わせています。4WDモデルではこれにリアモーターが組み合わされます。実燃費はFFの場合、街乗りで約22km/L、高速道路で約23km/Lぐらいです。駆動方式はFFと4WDが選択可能です。大人4人がフル乗車しても、この動力性能なら高速道路でも十分な走行ができます。

一方、2Lプラグインハイブリッドモデルは、エンジンが最高出力111kW、最大トルク188N･m、モーターが最高出力120kW、最大トルク208N･mというスペックで、実燃費は街乗りで約20km/L、高速道路で約21.5km/Lとなっていますが、一定距離をEV走行できます。こちらはFFのみの設定です。こちらについても、大人4人がフル乗車しても、この動力性能なら高速道路でも十分な走行ができます。

尚、1.8LモデルはKINTO専用なので詳しくは紹介しません（実燃費は計測していませんので分かりませんが、カタログの数値からすると燃費も動力性能も申し分ないと思います）。

最小回転半径は5.4mで、このサイズの車としては標準的と言えるでしょう。車の大きさまで考慮に入れると、この車は日常の買い物から旅行まで幅広い用途で活躍できる、と言いたいところですが、デザインを優先した車なので実用性は低いです。

安全性能

クルーズコントロール性能は並です。ハンドル支援についてもあまり強いアシストではなく、任せるのは少し怖い印象です。まあしかし言い換えるならば、こういった機能をよく知らない人が「完全に自動運転してくれる」などと勘違いしないという点では安全でしょう。

また、JNCAPと呼ばれる第3者機関による安全性の評価があり、この試験にてプリウスは2023年にファイブスター賞を受賞しています。

おすすめグレードと価格・まとめ

おすすめグレードについてですが、最上級グレードのZ一択です。その下にG、最廉価グレードにはXがありますが、どちらも必要な装備が削られている印象があり、オプションでも選べないのでお勧めできません。プラグインハイブリッドとハイブリッドの選択ですが、目新しい物が気になる方はプラグインハイブリッドがおすすめですが、値段も約100万円高くなってしまうので、大きなこだわりが無いならばハイブリッドモデルをお勧めします。

総合評価は74/100点とします。流麗なデザインを優先した車が故に実用性はあまり高くないです。人は選びます。デザインや燃費を好む方にはおすすめですし、逆に後席の快適性や運転のしやすさを求める方にはおすすめしません。